この記事で分かること
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情報発信ビジネスの一番の難所はどこか
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マネタイズを目的とした SNS 運用において、どんな内容を発信するべきか
情報発信の一番の難所
あなたは情報発信に挫折したことがあるだろうか。
筆者は前世も含めると260回くらい挫折した。ブログ、旧 Twitter、メルマガ etc.
新しく試しては、挫折した。5000文字で書いた渾身のブログ記事には読者からの反応が皆無。Twitter を開くと、インフルエンサーが投稿した50文字のツイートに数千ものいいねがついている・・・
一番続いたのはブログだったが、20記事ほど書いたところで力尽きた。Google で検索すれば、朽ち果てた当時のブログがインターネットの片隅に今も佇んでいるはず。悲しい。
情報発信は、しんどい。最初は特にしんどい。これはフォロワー数十万人のインフルエンサーも口を揃えて言うことだ。ライティング自体の難しさもさることながら、立ち上げからしばらくは、誰にも見られない、誰からも反応が無い状態が続く。
この状態がしんどいのだ。誰も足を止めない街中でティッシュ配りをしているような、空しい気持ちになる。
受け手のフィードバックがないと、自分が配っているティッシュ = 発信している情報 に価値があるのかどうかすら、疑いたくなってくる。
自分を疑い始めると、モチベーションは急速に減退する。虚空めがけてコンテンツを投げつける努力は誰にとっても苦行そのものだ。
そう、情報発信の究極の難しさは、反応が得られない最初期に挫折することをどう避けるか、という点にあるのだ。
すると、次に湧いてくる質問はこうなる。
「せっかく始めた情報発信で、挫折を避けるための方法はあるのだろうか?」
筆者はこれまで色々な方法を試してきたが、思うようにワークしたものはなかった。
・毎日、同じ時間の日課にする
・タイマーを設定、集中して書き切る
・その日に勉強した内容を即座にアウトプットする
どれも最後は根性論になるのがオチだった。
それでも、学ぶことはやめなかった。文書術について学んだ。人の心理について学んだ。情報発信で成功している人間について、徹底的にリサーチした。国内の情報を吸い尽くした後は、海外の情報を求めた。
そしてついに、「これだ!」と膝を打ちたくなるようなアイデアに出会ったのだ。
それが、X フォロワー26万人のビジネス系インフルエンサー Dakota Robertson が提唱する、「GAP フレームワーク」。一言で言うと、この枠組みで情報発信をすれば間違いないよ、という話である。
情報発信難民の救世主、Dakota Robertson
話を進める前に、Dakota Robertson について軽く紹介しておきたい。
彼は Web ライティングを専門とする 26 歳のアメリカ人で、情報発信を始めた頃は大学を中退してファーストフード店で働いていた。
そこからパソコン1台とスタバのインターネット接続だけでミリオネアに仲間入りしたツワモノである。
そんな彼だが、実際に彼が書いた文章を読んでみると分かることがある。
特殊な専門知識を持っているわけではないし、特段うまい文章を書くとか、豊富なボキャブラリーを持っているというわけでもないのだ。むしろ誰にでも理解できるような簡単な単語と、短い文章がメイン。
ミソはそこにあると筆者は見ている。人を引き付ける情報発信において、難しいアイデアや回りくどい表現はむしろ邪魔になるに違いない。必要なのは、「何を目的として、何を発信するか?」という、ターゲティングの部分だ。そしてターゲティングに役立つのが、フレームワークである。
フレームワークはターゲティングに役立つだけではない。
情報発信を続ける上で、「自分は正しい方向で努力している」と太鼓判を押してくれるという役割もある。
自分が発信に自信が持てれば、0いいね、0コメントでもひとまずは頑張れるというものだ。
Dakota Robertson がうわべでなく本質的な主張をしていることは、なんとなく伝わったと思う。
そんな彼が情報発信の上で実際に活用しているのが、GAP フレームワークだ。
GAP フレームワークについては下に詳述するが、まずはこのフレームワークについて簡単に説明したい。
GAP とは以下の3つの単語の頭文字をとったもの。
G : Growth (話題性)
A : Authority (権威性)
P : Personal (個人性)
情報発信は上の3つの要素のうちどれかを獲得するために尖らせろ by Dakota
そうすることで見込み客(あるいは見込みフォロワー)から「認知され」「信頼され」「好かれる」ことができるという。そしてマネタイズが可能になる。
この理屈、パッと見ただけでも非常に納得感がある。
自分が過去にインフルエンサーをフォローした経緯を振り返ってみても、3つの要素を満たしていたケースがほとんどだ。
GAP フレームワークの妥当性を検証するために現在進行形で売れているビジネス系のインフルエンサーを何人か調べてみたが、全員この3つの要素を満たす発信をしていることが確認できた。詰まるところ、彼の言うことは正しいと見える。
くり返しとなるが、Dakota はこう主張する。
「フォロワーを増やすには見込みフォロワーから認知され、信頼され、好かれる必要がある」
どれか一つの要素が欠けてもマネタイズにはつながらない。
そして「認知され」、「信頼され」、「好かれる」ことに発信内容を特化させるのが、GAP フレームワークだ。
書き忘れたので補足しておくと、GAP フレームワークは、最終的にはフォロワーに対して商品やサービスを販売し、マネタイズすることを前提にしている。つまりは「売るための情報発信」だ。
さて、前置きはこれくらいにして、本題に入りたい。
GAP フレームワークの詳細
GAP フレームワークの骨子になる3つの要素
G : Growth (話題性)、A : Authority (権威性)、P : Personal (個人性) についてそれぞれ解説する。
G : Growth (話題性)
見込み客に「認知され」「信頼され」「好かれる」必要があると上に書いた。話題性はこのうち、「認知される」ための情報発信。
SNS ユーザーにフォローしてもらうには、当然のことながらまず、人の目に触れ、興味を持ってもらう必要がある。話題性は人の興味を引く上で最も有効な手段だ。イメージで言うと電車の中吊り広告のようなもの。
大御所芸能人がスッパ抜かれたスキャンダル、新しく発売される iPhone とか。つい見てしまう、話題性のある見出し。
人間は生来、新しい情報や未知の見解に強く反応する性質を持っている。話題性のあるものに自分の発信内容を絡めることで、興味を引く情報発信を行うのが Growth 発信だ。
最近だと、生成AIをビジネスにどう活かすか、という話は誰もが気になるだろう。例えばフィットネス関係で情報発信しているなら、こんな感じ。
例:ChatGPTを利用してトレーニングメニューを組んでみた
A : Authority (権威性)
権威性は「信頼される」ための情報発信だ。権威性と言うと難しく聞こえるが、簡単に言うと「なんかすごそう」と思ってもらえればいい。
最終的にフォロワーに商品を売るには、先に価値提供の実績を作り、尊敬と信頼を勝ち取る必要がある。権威性は「フォロワーの悩みを実際に解決する」ことで獲得できる。具体的には専門知識やハウツー、ケーススタディなど。
話題性に寄せた Growth 発信とは打って変わって、より実際的なノウハウについて発信しよう。
フィットネス関係で情報発信しているなら、こんな感じ。
例:99%の人が誤解している、トレーニングにまつわる基礎知識
P : Personal (個人性)
個人性は「好かれる」ための情報発信だ。情報発信者はここ数年で爆発的に増えた。その影響で、ノウハウの差別化も難しくなった。もはやノウハウはインターネット上に溢れている。とはいえ、受け手は生身の人間。
AI が書いたような人間味の無い文章では、人の心はなかなか動かない。
ノウハウがコモディティ化しても、情報発信者の「個人の人間性」は誰にも真似できない。そして個人性こそが、他の情報発信者からあなたを際立たせるアクセントになるのだ。
具体的には個人的なエピソードや価値観、物の見方に関する発信をすることで好意を獲得する。例によってフィットネス関係で情報発信しているなら、こんな感じ。
例:トレーニングを始める前に自分の身体に感じていたコンプレックス
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以上、3つの要素を意識して情報発信しよう。内容はきっと見違えるように洗練される。
情報発信の際には GAP のうちどれを目的とするか?をまず選んでからコンテンツを作り始めるといいだろう。コンテンツを作る時には最初に方向性を定めないと「結局、何が言いたいの?」と自分で突っ込みを入れたくなるようなぼやけたメッセージになってしまうことも多い。
ちなみに、3つの要素をどんな割合で配合するかは、発信するコンテンツの内容やブランディングに応じて変えるべきだ。
ダイエット系であればビフォーアフターなどの個人的な内容 (Personal) 多めがいいだろうし、ビジネス系であればノウハウ的な内容 (Authority)多め、テクノロジー系であればニュース的な内容(Growth)多めといった感じで。
GAP フレームワークは情報発信初期のモチベーション維持に役立つのはもちろん、ある程度の影響力を獲得した情報発信者が日頃の発信内容を見直すのにも役立つだろう。
一点だけ注釈をいれると、影響力を獲得するには相互コメントや DM などの「草の根営業」が必要になることも Dakota は指摘している。情報発信が一方的にならないよう、相互方向の交流を行うことも肝心だ。
この点についてはまた別の記事で詳述したい。
それでは、また次の記事でお会いしましょう。